賃貸で役員社宅を借りるメリット

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(写真=Chesky/Shutterstock.com)

住宅型福利厚生の一つである社宅は、住宅手当(家賃補助)とは異なり、一定条件を満たすことで非課税となります。従業員にとっては、節税というメリットがある社宅制度ですが、実は一般社員だけでなく役員も社宅に住むことにより、そのメリットを享受することができるのです。

高所得な役員だからこそ活かせる、節税メリット

従来の住宅手当は課税対象であり、手当における非課税条項にも一切抵触していないため、全額に課税されてしまいます。また日本は累進課税制度と呼ばれる、「所得が高いほど課税額が多くなる」という課税制度を採用しているため、住宅手当というのはその性格上、所得が高ければ高いほど損となる福利厚生制度とも言えます。

住宅手当に対して社宅は、会社が法人契約した社宅に居住し、一定額以上を会社に支払うことで非課税となるシステムをとっています。このシステムは役員にも適用されるため、所得額が多く課税率が高い役員にとっては、大きな節税のメリットとなるのです。

課税範囲と、非課税となる条件

社宅を役員に提供した場合でも、すべてが非課税となるわけではありません。その条件について国税庁の平成28年4月1日現在法令等から引用し、解説します。

法令では以下の場合に課税されると定められています。
(1) 役員に無償で貸与する場合には、賃貸料相当額、給与として課税されます。
(2) 役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。
(3) 現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。

また、豪華住宅(役員個人の嗜好を著しく反映した設備を有するもの、もしくは床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して判定)も非課税措置はなく、時価(実勢価額)が賃貸料相当額として課税対象となります。

小規模住宅(建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、建物の耐用年数が30年を超える場合には床面積が99平方メートル以下の住宅)である場合、以下の合計額が賃貸料相当額とされます。給与として課税されないためには、この賃貸料相当額を毎月企業が受け取る必要があります。

(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

他にも、小規模住宅に当てはまらない場合は以下の計算式が適用され、合計額が賃貸料相当額となります。

(1) 自社所有の社宅の場合
次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
 ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。
ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

(2) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合
会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

役員社宅を選ぶポイント

役員社宅として会社が借り上げる場合、当然法人契約をする必要があります。役員がすでに居住している賃貸物件を法人契約に切り替えることができればそれでも構いませんが、基本的には再度審査を行い、各種契約料を支払うことになります。また、経営者が個人で借りている物件を役員に貸し出しても、社宅としては認められません。必ず法人契約を行いましょう。

新しく契約をする際は、まず法人契約が可能かどうかを確認します。法人契約ができない物件もありますので注意が必要です。節税の面で考えると、土地と建物の比率が高いタワーマンションも選択肢の一つです。なぜなら、固定資産税評価額が下がることにより、賃貸料相当額も下がるからです。

それでは現在持ち家に住んでいる役員の場合はどうでしょうか。持ち家があっても社宅に住みたいという場合には、持ち家を貸し出した上で社宅に住むという方法があります。持ち家を会社に売却して社宅に住むという方法は、固定資産税や利息などの費用は会社の負担となりますが、住宅の購入という大きな額が動くため資金繰りの悪化を招く恐れがありおすすめはできません。

節税を検討するなら役員社宅も

今回は、役員が社宅に住むメリットについてご紹介しました。社宅は一般従業員だけのものと考えていた方も、節税の観点から一度役員社宅について検討してみてもいいかもしれません。

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