よくわかる従業員満足度と顧客満足度の関係

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(写真=PIXTA)

「従業員満足度(Employee Satisfaction : ES)」と「顧客満足度(Customer Satisfaction: CS)」の間には、どんな相関関係があるのでしょうか。経営論、人材マネジメントにおける各議論を踏まえ、解説していきましょう。

ESとCS、誰にとって、なぜ重要?

ESとは、通常「会社、上司、給与、福利厚生などの仕事環境に対し、社員が満足しているか否か」を測る指標のことです。優秀な人材に長くいてもらううえで重要となります。

しかし、「仕事にコミットはしたくない、言われたことだけをやっていれば十分満足である」というような社員もいるでしょう。ESだけを重要視した人事戦略は、積極的に仕事へ取り組む意欲のある社員のやる気を削ぎ、業績が伸び悩む逆効果を生んでしまいます。

一方、CSは「企業から提供されるサービス、あるいは商品が、顧客のニーズ・期待に応えたものであるか否か」を示す指標です。CSが低いと、顧客は競合他社へ移るだけでなく、市場における優位性まで失う可能性があります。売り上げ・利益の維持、拡大を図る上で極めて重要な尺度です。

CSは重要ではあるものの、その存在を社員全員が理解・関与している訳ではありません。例えば、人事や給与計算を担当するコーポレート部門などに在籍する非営業社員に対し、「得意先のCSに基づいて査定を行う」と通達しても、正当・公正な査定基準とはいえず、経営に対する不信感を社員内に生む原因となりかねません。

ESとCSの相関関係

ESとCSの関係についてはさまざまな調査・研究が行われており、相関関係があることも分かってきています。CSの向上から逆算して、その相関関係を見ていきましょう。

「CSの向上」には、会社が提供する「顧客のニーズ・期待に応えるサービスあるいは商品の提供」が必要不可欠です。常により良いものを提供して初めて、CSは安定もしくは向上するといえるでしょう。

より良いサービスや商品を提供し続けるには、「生産性の向上」が必要です。なぜなら、生産性が上がらなければ良いものを模索・研究する余力が生まれないからです。ここからは社内の課題に切り替わります。

社員の生産性を向上させるためには、社員の働きをサポートする必要がありますが、実際の仕事と意欲の両面への働きかけが必要です。自分の出した成果が、部署外・社外でどう評価されているかを見せると、人間の承認欲求を満たすことができます。すると社員は仕事や会社に誇りや自信を持つようになります。誇りや自信が、生産性の向上を後押しするのです。

仕事や会社への誇りは「会社への帰属感と仕事に対するコミットメント」と言い換えることができます。これを促すためには、仕事をすることで評価をされる・責任ある立場に昇進できる・給与に反映されるという対価が必要です。「頑張れば評価される、昇進できる、給与が上がる」という動機付けは有効です。始まりは「行った仕事に対する評価・昇進・給与」がESにつながり、この実績がモチベーションとなるのです。

産業、業種、職種、営業・非営業の違いにより、この相関関係は大きく変わります。ESからCSに至る関係を自己の企業の現状に合わせる必要があるでしょう。

どちらかではなく、両方を向上させるプラスの循環を

企業が顧客に提供しているサービスや商品が、顧客のニーズ・期待に合わなければ、売り上げは伸びず、利益の維持拡大は困難です。会社への帰属感と仕事に対するコミットを持った社員(多くの場合は営業社員)が顧客と接して初めて、顧客のニーズを聞き出すことが可能であり、そのニーズに合うサービスや商品の提供が可能となります。

こうしたサービスや商品を提供する過程で、資源、資金、システムをどう有効活用ができるかが、人材の良悪しにもつながります。まさに人材次第で生産効率・利益率が左右されるのです。

それぞれの企業にあった形で、顧客満足度と社員満足度を向上させること。互いにプラスの影響を与えあって、会社も社員も成長する力となるでしょう。

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