
企業が活動を行っていくうえで顧客満足度(Customer Satisfaction: CS)とあわせて、重要になのが従業員満足度(Employee Satisfaction : ES)です。もちろん、顧客の満足度は会社業績にとって注視すべき点ですが、それと同じくらい従業員の満足度も、大切なポイントです。
「従業員満足度(ES)」とは読んで字のごとく、その会社で働く人の満足度を表します。近年、「ブラック企業」の増加が問題視されるなか、ESは働く人にとって非常に重要な要素であると言えるのではないでしょうか。
ESが上がると業績も挙がる?
「満足度」というと当人の主観が入り混じり、人によって捉え方が違うことから、やや抽象的な尺度にも映ってしまいます。そのため、ESを軽視する企業も少なくないのですが、実はESと業績には、ある程度の相関関係があると言われています。
ESが高ければ高いほど離職は起きにくく、成果主義の色が強い会社形態であれば、ESの向上が労働生産性の向上に繋がることは、言うまでもないでしょう。
市場の成熟度が年々増して、より精度の高い成果が求められ、そうしたアウトプットのできる人材が求められます。一方で、少子化が進むことで人材確保は、ますます困難になっていくでしょう。
人材確保競争が激しくなる中で、従業員一人ひとりの満足度を向上させることは、時代の流れに沿った大事なポイントだと考えられます。
ESを向上させるためには?
ESを向上させるためには、どんなことが重要になってくるのでしょうか。
社員のニーズと企業の体制が、マッチングすることが必要条件になるでしょう。前述した通り、満足度の大きさは測りづらいので、簡単に改善できるものではありません。給与を上げる、福利厚生を充実させるといった表面的なものだけでなく、視野を広げて効果的な人事・賃金制度の見直しを行うことが求められます。
ESが確実に上がるという明確な方法はないものの、経営理念が具体的な行動にまで徹底されていたり、組織外でコミュニケーションを多く図ったりする会社は、ESが高くなる傾向にあるようです。
ESを上げることだけを目的にするのではなく、何のためにESを上げるのか、ということについてもフォーカスする必要があるでしょう。会社と従業員が事業内容だけでなく、働き方の面でも対話を図っていくのが、非常に大事な要素となるのです。
ESはあくまでも社員満足度の結果である、という意見もあるため、手段を目的化しないことが重要です。
ESだけにフォーカスしない
ESを上げることは顧客にとっても、会社にとってもメリットをもたらします。しかし満足度が高いだけで、会社や従業員の成長に繋がらないのであれば、それは形式的なものに過ぎません。
ESを向上させるために会社の風土をどう改善し続けていくか、どう成長を描いていくか、という長期的な目標が必要なのです。
会社成長・従業員満足度、その先に顧客満足度がある、という広い視点でマネジメントを行っていくのが重要ではないでしょうか。
【オススメ記事】
・ちゃんと答えられる?いまさら聞けない福利厚生と手当の違い
・税金も保険料もお得に!現物給与のススメ
・そもそも論!福利厚生って何であるの?
・企業も社員もいいことだらけ!社宅のメリット6つ
・知らなきゃ損する!社員寮の隠れたメリット