家賃補助・住宅手当か、交通費負担か 従業員ファーストなのはどの手段?

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(写真=Jirsak/Shutterstock.com)

福利厚生には法で定められたものから、会社独自のものまでさまざまです。当然、従業員の福利を目的としたものですが、手当の場合、支給方法によっては従業員の税負担の増加などデメリットとなる場合もあります。

家賃補助や住宅手当と交通費の負担、従業員にとってどちらが得なのか、それぞれの制度についてメリットやデメリットなどを考えていきます。

さまざまな福利厚生があるなかで、金銭的な補助になるもの

福利厚生は、従業員の就業意欲や愛社精神を培っていくことも目的としています。例えば、スポーツ施設と法人契約を行い、従業員に割引料金で使用させることができるもの、従業員の自己啓発のための講座受講料金を一部負担するもの、休暇を充実させるためにリゾート地の保養所を提供するもの、旅行代金を一部負担するものなど多岐にわたります。

賃貸住宅の家賃の一部を会社側が補助する住宅手当や、遠方に自宅がある従業員が自宅から職場に通勤できるように高額な交通費支給も福利厚生となります。なかでも、交通費や住宅手当などは従業員に対する金銭的な補助にあたります。

住宅関連か交通費か?どちらを優先すべきか

通勤ラッシュなどにより従業員が疲弊することを防ぐための福利厚生を実施している会社があります。例えば、会社の近隣に住めば住宅手当を加算するなどの措置です。会社は大都市の中心にあることが多く、家賃相場も高めになっています。このような地域を限定した住宅手当は、引っ越しを諦めていた従業員にとって有益な福利厚生となります。

この場合、会社側からみても従業員の仕事の意欲が高まり、作業効率もよくなるというメリットがあります。従業員にとっても、通勤が楽になり経済的負担だけではなく体力的負担が緩和されるなどのメリットが想定されます。しかし、住宅手当は基本的に給与所得に算定されるため、従業員にとっては所得税を多く負担する必要がある可能性があります。

交通費は一定金額までは非課税であるため、遠方から通勤する場合に交通費を支給することは、会社側にとっても従業員側にとってもメリットとなります。とはいえ、一定金額を超える場合は非課税とはならず、課税される給与所得に含まれることになります。非課税になる限度額として「経済的かつ合理的な経路及び方法による金額」に該当することが必要となります(国税庁より)。これには新幹線を利用した通勤も認められ、新幹線定期についても含まれます。通勤定期代の支給には1ヵ月あたり15万円までが限度額となりますので、新幹線の通勤距離にも限度があります。

このため、遠方に住んでいる従業員が自宅から通勤したいと希望した場合、交通費を支給することは会社・従業員共にメリットはあるといえますが、限度額を超える支給額については課税所得となるため、従業員にとってデメリットとなります。

遠方の従業員がマイカー通勤をした場合の交通費は、非課税となる金額について距離に応じて細かく法基準が定められています。55キロメートル以上は3万1,600円が限度額となり、これ以上はガソリン代などの経費がかかったとしても、会社から支給する場合は課税所得となります。

条件で振り分けるなど、従業員ファーストの視点で

住宅手当を利用する場合も交通費を支給する場合も、従業員が非課税などのメリットを受けるためには一定の限度があることに留意する必要があります。これらを踏まえて、条件で振り分けたり、並行して支給したりするなど、デメリットを解消させる方法も考えられます。

住宅手当でも交通費支給でも、個々の従業員によってどちらのメリットが大きいのか変わってきます。福利厚生担当者は、それぞれの場合に応じて制度を運用できるような仕組みにするなど、個別に対応するのが得策といえるでしょう。大切なのは従業員ファーストの視点で運用をすることです。

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