ちゃんと答えられる?いまさら聞けない福利厚生と手当の違い

コーヒーを片手に険しい顔をしている女性
(写真=PIXTA)

賃金や手当、福利厚生などは企業が従業員に支給するものですが、各々が占める割合やその有無によって、思いがけない待遇の違いが生まれることがあります。福利厚生について詳しく知ることは、社員が企業を選ぶ良いモノサシになりますし、長く勤める理由になるでしょう。

仕事内容や役職によってもらえる手当と福利厚生

「営業の同期は営業手当が付いてうらやましい」「上司は役職手当をいくらもらっているのだろうか」--。口に出さずともこんなことを気にしている会社員は多いでしょう。

労働の対償としての諸手当は、所定内賃金とされ当然のことながら所得税が課税されます。一方で、社員すべてに分け隔てなく提供される住宅や独身寮の貸与など、従業員や家族の生活や福利の向上を目的とした福利厚生があります。

同じ賃金をもらっていても、会社の福利厚生や制度しだいで手取りや生活が大きく変わる可能性があります。社宅や寮は従業員が賃貸料相当額の50%以上を払っていれば、差額分は課税されません。仕事に必要な資格や技能の習得の費用補助によって、従業員にとっては能力向上やキャリアアップ、会社にとっては優秀人材を増やすことができます。

費用を会社負担で社員旅行や社内運動会などのレクリエーションを行い、団結力を高めたり愛着を持ってもらったりすることもできます。「プライベートを重視したいからすべて賃金でもらうほうがよい」と考える社員もいるかもしれませんが、所得税はもらっている金額が多いほど課税されます。一方、福利厚生は活用した分だけ所得税が節税できるという見逃せない側面があります。

会社側も賃金を抑えることで社会保険料を圧縮でき、福利厚生分を費用として計上できるということは、会社の福利厚生や制度の活用は企業側と働く人の両方にメリットがあるといえます。こうしたメリットを会社側もしっかり伝えていく必要があるでしょう。

あらためて福利厚生とは?

具体的に福利厚生には、社会保険料の企業負担や社員住宅の貸与、財形貯蓄の補助、社内融資制度やスポーツ施設やレジャー宿泊施設の提供、慶弔見舞金などがあります。法律で実施が義務づけられた「法定福利厚生」と、企業が独自の裁量で行う「法定外福利厚生」の大きく2つに分けられます。

このうち法定福利厚生とは、主に社会保険料の企業負担を指します。たとえば、雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険、介護保険の企業負担や労災保険、児童手当があります。

一方の法定外福利厚生は義務ではなく、企業が独自に設けた福利厚生です。一般的なものでは、社員住宅や独身寮の貸与や健康診断、慶弔・災害見舞金などがあります。

法定外福利厚生は企業によって差がある

法定外福利厚生は、日本の高度成長期やバブル期に、人材の確保と定着を目的として積極的に取り入れられていた制度です。社宅や独身寮の完備など一般的なものに加え、全国各地に、保養所やスポーツなどのレジャー施設を置くといったものがあります。

しかし、バブル崩壊や長引く景気の低迷により、全国の保養地を売却や閉鎖するなど、福利厚生を廃止した企業も多くあります。以前に比べて、福利厚生の内容は企業によって異なってきているのです。

そんな背景のなか、個性的な福利厚生を行う会社も増えています。たとえば、従業員の満足度を高めるために社員食堂での食事や散髪が無料になるといった生活に密着したものから、社員にポイントを付与して福利厚生のメニューから好きなものを選べる、カフェテリアプランを導入するといった例です。

働く側が「待遇」を考えるとき、つい賃金の額にばかり目が向きがちですが、福利厚生などの制度の有無により、働き方や充実度は変わります。整備している会社の福利厚生の内容を積極的に発信することも、企業の魅力を伝えるには有効といえるでしょう。

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