税金も保険料もお得に!現物給与のススメ

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(写真=PIXTA)

「現物給与」は通常の給与と同じく、課税対象となります。この事実は普段あまり意識しないことですが、社会保険料にも関係してくることです。今回は会社から貸与される社宅を主軸に、現物給与にまつわる税金と社会保険料の関係ついて紹介します。

現物給与とは何か

通常金銭で支払われる給与とは別に、現物給与として支払われる給与は、国税庁のホームページで次のように定義されます。

1. 物品その他の資産を無償又は低い価額により譲渡したことによる経済的利益
2. 土地、家屋、金銭その他の資産を無償又は低い対価により貸し付けたことによる経済的利益
3. 福利厚生施設の利用など(2)以外の用役を無償又は低い対価により提供したことによる経済的利益
4. 個人的債務を免除又は負担したことによる経済的利益

具体的には、販売商品の社内割引制度、まかない料理、社宅の提供、福利厚生施設の提供、社員の借金の肩代わりなど、通常給与の範囲外での手当が現物給与に該当します。

法律や制度が改正されたらどうなるの?

現物給与の制度改正について考える場合、管轄する「国税庁」と「厚生労働省」の意向を別々に考慮する必要があります。2016年4月に改正された「厚生労働大臣による現物給与価額」は、社会保険の金額を算定するために用いられる基準のため、源泉所得税を計算する場合には影響がありません。一方で、従業員に貸与される社宅から源泉所得税を計算する場合、そこには国税庁が定めた税率が適用されます。そして、会社から社宅を借り受けした従業員は、一定額の「賃貸料相当額」を会社に支払うことで、課税対象から外れることができます。

以下、国税庁が定める賃貸料相当額の計算式になります。

1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
2. 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
3. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

「所得税法」に改正がある場合は、源泉所得税の計算方法には影響がありますが、社会保険の計算方法には影響が出ません。企業の総務担当者は常に「所得税法」と「厚生労働大臣の意見」を意識する必要がある、ということです。

現物給与の社会保険上の取り扱いは?

現物給与の社会保険算定の基準となるのが、厚生労働省が発行している「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」です。これは、「食事で支払われる報酬等」「住宅で支払われる報酬等」「その他の報酬等」と大きく3つの区分に分かれています。この価額は都道府県別に設定されており、2016年4月に行われた改正では、ほぼ全ての都道府県で、食事と住宅の価額を増額しています。

もし、会社から貸与されている社宅が北海道にあり、勤務地が東京都にある場合どちらの基準が適用されるのでしょうか。その場合、「被保険者の人事、労務および給与の管理がなされている事業所が、所在する地域の価額により算定すること」がルール算定の基準となるため、東京都の基準によって社宅の金銭的価値が算定されます。

定められた金額に基づいて現物を金銭的価値に換算して、通常給与と合算した金額が社会保険料の算定基準となります。

現物給与の意義を再考する

現物給与は本来「従業員の労をねぎらう」「生活上の懸念事項を排除して業務に専念してもらう」ためにあります。上手く活用すれば、会社の法人税節税にもつながる可能性もあるのです。

源泉所得税や社会保険料を考慮したうえで、ベストな福利厚生制度を会社に構築していきましょう。

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