社員寮に関する法律、労働基準法が定める寄宿舎とは

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(写真=El Nariz/Shutterstock.com)

企業の福利厚生として提供される社員寮ですが、この社員寮と異なるものに寄宿舎というものがあります。この寄宿舎とはどのようなものなのでしょうか。社員寮とはどのような違いがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

従来の社員寮と寄宿舎の違い

従来の社員寮は、企業が一棟所有している不動産やマンションなどを、社員寮として社員に貸し出したり、食堂や浴室などは共同スペースで、プライベートの部屋などを社員寮として社員に貸し出したりする形態などがあります。これに対して寄宿舎の場合は、従業員が寝食を共同でする場所になります。これは、自身の部屋があるなど一定のプライベートな空間がある従来の社員寮とは異なります。共同部屋において従業員が寝食を共にする形態を寄宿舎としています。

このため、寄宿舎と名付けられていたとしても、アパート式の寄宿舎だったり、プライベートの空間が各従業員にあったりするような場合は、寄宿舎には該当せず、福利厚生上の社員寮となります。

労働基準法による寄宿舎の規則概要

それでは、労働基準法によって定められている寄宿舎はどのようなものでしょうか。労働基準法による寄宿舎は、事業の付属寄宿舎として認められるものになります。このため、常に相当人数の労働者が宿泊し、共同生活の実態があること、事業経営の必要性からその一部として設けられているように、事業との関連性があること、という要件を満たす必要があります。

この寄宿舎に該当する場合、企業は寄宿舎規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。また、寄宿舎で過ごす労働者の私生活の自由を、企業は侵害してはならないという規定もあります。自治なども企業が口出しすることはできないという規定があります。

例えば、一定の拘束を必要とするプロジェクトがある場合に寄宿舎を用いて、一定期間従業員に住んでもらうという方法があります。建設などにおいて、寄宿舎が設置されることが多いため、建設業付属寄宿舎については、ガイドラインが定められています。

寄宿舎を設置するためには、企業はどのような手続きをすればいいのでしょうか。

まず、寄宿舎の設置や変更、移転が必要になった場合、工事着手14日前までに行政官庁に届け出る必要があります。また、寄宿舎における取り決めについては、寄宿舎規則を作成しなければならず、この寄宿舎規則に関する寄宿労働者の過半数を代表する者の同意を得て、署名または記名押印などを得なければなりません。そして、この寄宿舎規則について、寄宿労働者に対して周知させなければならないという規定もあります。このように、通常の社員寮と寄宿舎ではかなりの違いがあることが分かります。

法律がない社員寮では社内規則を制定する

寄宿舎については、労働基準法によって細かく定められていますが、社員寮については特に法律による規制などがありません。しかし、従業員からするとどういう条件で、社員寮を借りることができるのかなど、知りたい方は多いでしょう。

また、社員寮は福利厚生の一環として提供されるものであることから、法律の規定がない社員寮については、社内規定などで明確に運用等を定めておく必要があります。なぜなら、社内で従業員間の不平等感が生じてしまう可能性があるからです。

社員寮に関する社内規定の確認を

社員寮と寄宿舎はかなり形態が異なります。社員寮については、きちんと社内規定を定めておく必要があります。

改めて、社員寮に関する社内規定の見直しなどを行ってみてはいかがでしょうか。また寄宿舎についてもしっかり把握しておけば、今後必要となった時に役立つことでしょう。

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