【後編】福利厚生の在り方を一新させた不動産業界の異端児

「テクノロジーで不動産の在り方を変える」という理念を掲げるイタンジ株式会社。イタンジの福利厚生制度は斬新で、他の企業から多く関心が寄せられています。

事業展開とリンクさせた福利厚生の考え方はぶれない指針にあり、それが会社の基礎をつくっているようです。前回に引き続き、イタンジで採用している福利厚生にフォーカスし、人事部部長の角高広さんにお話しをうかがいました。

前編のインタビューはこちら

選択の自由を福利厚生へ

福利厚生といえば、企業が社員とその家族の生活を健康で豊かにさせる制度やサービスととらえるのが一般的です。しかし、イタンジでは福利厚生に“選択制”を取り入れることで、その意味自体を大きく変えました。

「私たちは選択肢を与えるというサポートによって福利厚生を機能させています。考え方としては、何かをしてあげる、社員がしてもらうではなく、やりたい人が手を上げて創りあげていく、という選択肢を与えるものです。」(角さん)

社会保険等の法定福利厚生以外は、総務管轄ではないと言う角さん。

「法定外の福利厚生の提案や運用は、効率化やモチベーションを上げるために全社員が担っています。全員にその制度の裁量権があり、責任があります。会社にしてもらう、してくれない、という考え方をなくしたいという気持ちが強くて、イタンジの福利厚生は“選択制”にしています。」(角さん)

選択する自由を福利厚生に応用させているイタンジでは、次のような制度が既に実施されているとか。さっそく、福利厚生の事例をいくつか紹介してもらいました。

「現在、採用している福利厚生には『PCの自由化制』と『健康診断自由化制』と『ランチ自由化制』があります。例えば席が正面同士でも使っているパソコンは違い、モデルも色もスペックもバラバラ。それぞれが仕事の効率を最大限に発揮できるPCを選択できます。健康診断についてもクリニックも、スケジュールも自由に選択できます。仕事のパフォーマンスを安定させるために健康診断自体は重要なので、自分の身体は自分で管理してほしいといったスタンスです。ランチも7割ほど補助を出す宅配サービスを利用できますが、社内立案で他のランチ制度が明日にでも出れば即決で採択するくらいの感じでいますね。」(角さん)

ベースは7つの働き方改革から

社員から好評価を得ていると実感している角さん。福利厚生の在り方そのものが自由と主体性を重視する会社の指針にフィットしているから、問題なく受け入れられている制度だと考えられているようです。そしてその根底には社員の自律したマインドをつくる7つの働き方改革があると教えてくれました。

「イタンジには7つの働き方改革というものが存在します。まず一つめは、新規事業はすべて採用すること。二つめは、社員が経営陣に匿名で質問が可能であること。三つめは、リモートワーク可能な環境が整備されていること。四つめは、社内連絡は簡潔にビジネスチャットできること。五つめは、暗黙知をつくらないように情報をバリアフリーにすること。六つめは、マンパワーで解決せず、メソッドを変えること。最後の七つめに、社内勉強会やイベント登壇、ハッカソン、アイデアソン、会社ブログやSNSなどで社外へ積極的に働き掛けをした人に、イタンジポイントを発行していますね。これらの働き方を機能させ意識することで、自ずと主体的な社員へと育つと思っています。」(角さん)

残業をなくし、新規事業を誕生させ売上げをつくる目的で考案された、働き方改革。角さんは繰り返し、福利厚生についても事業立案と同じことだと話します。

「感覚としては動物園で飼われている動物ではなく、サバンナにいる動物のようにみんなに生きてほしいと思っています。定期的に餌がくるのではなく餌は取るものだと。人というのは丁寧にしてもらえればしてもらうほど、やってもらうことが当たり前になってしまうので、やはり常に勝ちとる、常に選ぶというのが意識を持ってもらいたいですね。福利厚生であっても自身で提案したものが採択され実行されます。この福利厚生を通じて小さいことからでも会社運営に自身が関わっているという実感を得て欲しいです。そして、そういった主体的なマインドが新しい事業の創設へとつながればと感じます。」(角さん)

さらに福利厚生を進化させるために

従業員一人ひとりが必要な事案だと手を挙げ、企画から運営までを任されるイタンジの福利厚生制度。会社の環境改善に大きな影響をもたらし、事業の拡大につながっていると実感すると同時に、改めて制度や企画の立案者に対して評価をしていきたいと語っています。

「例えば社員旅行ひとつとっても誰かが企画しなければ実現しないわけで、有志が企画をするんですね。そこにインセンティブがあるべきだと思っているんです。働き方改革で既に行っているイタンジポイントを活用し、評価に移していきたいと考えています。内容にもよりますが、プロジェクトマネージャーとして福利厚生を提案した場合、ポイントを付与したいと思いますね。例えば、交流会の企画を立ててくれるだけで、参加人数に応じてポイントを付与しています。」(角さん)

これまでのイタンジポイントの還元方法はQUOカードやアマゾンギフト券で交換していたとのこと。角さんからは還元の仕方についても今後、さらに進化させ、イタンジらしさを追求したいと話してくれました。

「ポイントの還元方法はこれまでギフト券などが多かったですが、弊社はエンジニアが多いのでボードコンピュータのラズベリーパイ、ドローン、海外でしか売っていないアマゾンのAlexaなどの商品に交換できると面白いなと考えています。こんな形で楽しみながら自らの力で選択していくという文化をつくり、このポイント制度によって精度の高い福利厚生になるよう、企業成長と合わせて加速させたいですね。」(角さん)

イタンジが込めた福利厚生へのメッセージ

最後に、改めて角さんから福利厚生についての考え方を教えていただきました。

「福利厚生って企業理念にもつながっているんです。私たちは不動産業界の情報の非対称性を解消し、不動産取引をなめらかにしていくことをミッションとしてうたっていますが、効率化された意味のあるサービスや情報を提供する企業であるためには、福利厚生も同じように効率的で意味のあるものにしたいと思っています。小さなことでも一人一人が主体的に会社に関わることから始まり、事業が拡大し人数が増えても、自立性を重んじる企業風土であり続ければと願っていますね。」(角さん)

「小さな会社なので、福利厚生について少し変わった考え方があって。福利厚生って会社の思想を伝える、ある意味、手紙やラブレターみたいなものなのかなという感覚があります。福利厚生からでも十分に私たちがどういう会社でどういう方向にいきたいのかを伝えることは可能だと思っています。その手段のひとつととらえ大切にしたいと考えていますね。」(角さん)

自由と自律の両面を兼ね備えたイタンジの福利厚生。従業員全員が作り手であり、担い手かつ使い手であり、そこで生まれたスピリットは企業拡大への大切な足がかりになっていくのではないでしょうか。

>>【前編】不動産業界の新風!イタンジが起こす福利厚生のイノベーションとは?

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