従業員満足度の向上は生産性もアップするのか

fukuri
(写真=PIXTA)

古くから議論・調査されてきた従業員満足度(ES)と生産性の関係を、経営論と人材マネジメントでの議論を踏まえ、解説します。

ESと生産性の相関関係

ESとは、「会社、上司、給与、福利厚生を含めた仕事環境に対し、社員が満足しているかどうか」を測るものです。優秀な人材にいてもらううえで欠かせない指標です。CSとの関係では、単純に満足と感じているだけでは不十分であり、「会社への帰属感や仕事へのコミットメント」を持った社員の存在が重要とされます。

顧客担当の社員の「顧客のニーズ・期待を聞き出し、それに応えていこう」とする姿勢がサービスや商品の質向上につながり、生産性アップやCSを上げるのでしょう。そうした意味で、モチベーションを高めることが重要なポイントとなります。

ただし「仕事に深くコミットはしたくない、言われたことだけをやっていれば十分満足である」というような社員も存在します。与えられた仕事をきちんとしているのであれば、個人の考え方の違いなので一概に責めることはできません。さまざまな考え方の社員がいるという意味でも、必ずしもESがCSに直結するわけではないということを忘れてはいけません。

一方で生産性は、企業から提供されるサービスあるいは商品が、いかに効率良く顧客のニーズ・期待にこたえているかを示す指標です。ただし、産業、業種、職種、営業・非営業の違いにより、この相関関係には大きな違いが存在している点には注意しましょう。

生産性の向上には2つの観点が必要

生産性の向上には、社員満足度だけでなく、いかに会社への帰属感を高め、仕事に対するコミットを持たせるかという動機付けが不可欠です。

● 動機付け
経営者サイドは、社員の会社への帰属感を求めるにあたり、以下の二つが求められます。

1. 経営が目標とすることは何か、また経営戦略の概要を社員に開示する
2. 一般社員、幹部候補社員、管理職、幹部など、役職の違いを念頭に置きながら、会社が社員に何を求めているかを明確にする

社員から見て、会社の方向性が判らなければ、会社に付いていくことは難しいのです。

動機付けについて「社員を褒める」ことも重要ですが、さらに会社や上司、顧客から社員へのサポートも重要視されています。会社からのサポートとは、社員の給与、福利厚生を含め、社員に対し、気を配っている姿勢が目に見えることを指します。上司からのサポートとは、信頼できる上司が社員に対して適切にアドバイスし、社員が仕事に打ち込めるようなサポート体制を敷くことです。顧客からのサポートとは外部だけでなく内部の顧客、つまり社内の他部署の社員からも自分の仕事が評価され、自分自信が必要とされていることが実感できる状態を指しています。

● 従業員満足度(ES)
社員満足度の観点では、給与や福利厚生を重視する社員なのか、昇格を重視する管理職や上昇志向の強い社員なのか、仕事の意義を重視する社員なのかなど、役職や考え方の違いで求めることが異なります。この点に留意しながら、ESを高める人事政策を検討しましょう。

たとえば家族に幼児がいる社員にとっては、「託児所の有無」が社員満足度の高さにつながります。また安心して仕事に打ち込めるということで仕事に対するコミットも促します。生産性の向上も期待できるでしょう。

「従業員満足度アンケート」を利用し、経営目標、戦略が社員に共有されているかの確認、動機付けがうまく機能しているか、社員の不満を確認するのもおすすめです。ただし、形式的に実施され本来の目的が達成されないケースもあるため、実現させる推進力を持って行うよう注意が必要でしょう。

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